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中島京子『小さいおうち』を読んで

さて、第何回だかよく分かりませんが、直木賞と芥川賞が発表されましたね。
「該当なし」だったりするとつまらないというか、わびしいものがありますが、今回は、ちゃんと両方とも受賞者がいて、まずはよかった。

いずれも、あらすじを聞いた限りでは、なかなかに面白そう。
特に直木賞のほうの『小さいおうち』は、「王様のブランチ」の著者インタビューを見て、これはぜひ読んでみたいな、という気持ちが湧いた。
そこで、日曜日、さっさく近所の書店で購入。

(ちなみに、ネットで確認したところ、「第143回」で、芥川賞は赤染晶子「乙女の密告」、直木賞は中島京子「小さいおうち」、ですね)

小さいおうち小さいおうち
(2010/05)
中島 京子

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内容(「BOOK」データベースより)
赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々を振り返るタキ。
そして60年以上の時を超えて、語られなかった想いは現代によみがえる。


……話は変わりますが(←いきなり)、私、本当に本を読むのが遅いのです。
悩みの種。
でも、そんなに速く読みたくない、というのも事実。
だって、味わって、楽しんで読みたいではないですか、特に小説は。
だから、もんのすごく遅読。

──というわけで、この一冊を読むだけで、一日ががっつり終わってしまいました(汗)。

でも、すごくよかったなあ。
期待に違わぬ面白さを味わわせてもらいました。

装丁も可愛いですね。
でも、可愛いけど、単に可愛いだけでもないことが、読み終えてみて初めて分かったりもする。

著者がインタビューで、この戦前とか戦時中とかっていう時代は、現代から見ると、すごく重苦しいことばかりだったようなイメージだけれども、実際、その時代に生きていた人たちは、意外と、もっと生活の中に楽しいことがいろいろあったりもしたのではないかと思うので、そのへんを描きたかった、といったようなことを述べていたと思いますが、そういう目で読んでいくと、確かに、とても微笑ましく、温かく、楽しい小説だなあと思えます。
でも、もちろん(と言うべきか)、それだけにはとどまらない。

やはり、一見、平凡かもしれないいろんな人たちのいろんな人生それぞれに、すごいドラマがあって、一生懸命に生きて、ある時は時代や環境要因などに翻弄されたりもしながら、何かを選びながら、何かを捨てながら、前へ前へと進んでいって、やがて、何かを得たり、あるいは何も得なかったように思えたりしながら、人生を閉じていく。
いろんな幸せや、悲しみや、口に出せないことや、やるせない思いとか、いろんなものを抱えながら、みんな生きて、そして死んでいく。
そのことに、何とも言えない、うーん、切なさとも違うし、さびしさとも違うし……何だろうな、うまく言葉にならないですが、いたたまれなさ、のようなものを感じました。

いい小説だったのだと思う。
これだけ心が動いた(より正確に言うと、「ざわめいた」という言葉が近い気がする)のだから。

技術的なこと(ということになるのかな)を言えば、やはり小説って、書き出しもすごく難しいと思いますが、たぶんそれ以上に、どう締めくくりをつけるか、というのがそうとう難しいものなのだろうな、というのを改めて痛感。
この小説は、そこのところ、非常にうまくやり遂げていて、さすがうまいな、と感じました。

ネタバレしないように注意したいと思いますが、語り手はずっと主人公のタキちゃん(が老いてから半生を振り返っている)なのですが、最後、最終章だけ、語り手がほかの人になります。
最後の最後、タキちゃんの、もしかしたらいちばん語りたかったかもしれないけれど、やはり語ることはできなかったのかもしれなかったこと──それを、本人ではなく、別の人によって語らせている。
これは非常にうまいですね。
そういうふうにせざるを得なかった、というところなのかもしれませんが。

タキちゃんの本当のところ、本当の思いというのは、結局、推測されるにとどまる形ですが、うーん、私は、その「推測」の内容自体については、「いや、それはどうかな」とも思います。
穿った見方すぎるんじゃないか、と言いたい気もする。
だから逆に、そういう「推測」という形の結末になっていることがありがたいとも言える。
「私としては、たぶんそこまで明確なものではなかっただろう」と思いたいんだけど、その解釈が許される結末だから。

ただ、難点と言うべきものがあるとするならば、やや、その結末の付け方あたり、センチメンタルすぎるというか、甘やかすぎるというか、そんな気もします。
とはいえ、それはそれで成立しているので、決して悪くはないのだろうとも思う、なんていう言い方は不遜なんだろうな。

全体に、非常によくできた、たいへんに面白い小説でした。
だてに直木賞取ってない、ことは間違いない。
ホワホワしながらザワザワしたい人にオススメです♪(←意味不明ですみませんが、作品から受けた感覚を擬態語で表現するとこうなるのだ!!)

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※このブログは、2005年12月からhttp://choi-happy.jugem.jp/にて書いてきたものを、2009年4月初旬にこちらへ移植したものです。そのため、以前の記事は行間が広すぎるなど、見苦しい点もありますが、何とぞご了承ください。

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プロフィール

ちょいハピ

Author:ちょいハピ
【2010年12月30日更新】

久々にプロフィールを更新してみます。

ツイッターを始めてから、すっかり「自動まとめ記事」ばかりが中心になってしまいつつあるこのブログ。
それでも、本や映画の感想などをきちんと書きたい時などにはどうしても不可欠の、私にとって大切な場でもあります。

以下、簡単に自己紹介というか自らの特徴を述べてみます。

まず、人生最大の娯楽は「書店で本を眺める」ことと「映画館で映画を観る」こと。
また、連ドラフリークでもあります。

嵐ファン歴は、約6年半。
(つまり、こんなにブレイクする何年も前からファンだったのだ!ということをここで強調したいわけだったりして)

趣味は散歩、そして不審な挙動(汗)。

そのほか、語学も好きで、特に文字が大好き。
文字に対する愛情というか愛着というか偏愛?は、我ながらかなり強い。

とりあえずはこんな感じです。
ぼちぼちお付き合いいただけましたらたいへん幸いです。


【以下、旧バージョン(1)】

2008年12月18日現在、少し古くなっていたこのプロフィールを、久々に書き直してみます。

このブログを始めたのは、40歳になって間もないころでした。
人生80年時代とはいいつつ、40歳を過ぎると、いろいろな病気などで、けっこう突然な感じで亡くなる方も、少なくありません。
ですから、自分も40代に入った時、「これで少し落ち着けるかな」という安堵の気持ちと同時に、「いつ死んでも悔いのないようにしておこう」という覚悟みたいなものも持ちました。
そこで、「いつ死ぬか分からない中、たとえば今、急に死んだとして、何か自分に言い残したことはないだろうか?」と考えた時に、それを自分なりに探りながら書いてみたい、という思いが湧き、そんな動機から、このブログを始めてみたのです。

最初の記事の日付が2005年12月5日ですから、いつの間にか、もう3年も経っています。
相変わらず、大した内容は書けていないし、この3年でそんなに成長したという実感も、あまりないというのが正直なところ。
しかし、これはこれなりに、何らか意味のあるものでありたいし、そのために、何を書いていくべきなのか、日々、模索し続けています。
不惑を越えながらも、いまだ発展途上──。
このブログには、たぶんそんな私の等身大の姿が、浮き彫りにされているのかもしれません(と、ひとまず言い方だけはかっこよくキメてみましたが、その浮き彫りにされた等身大の姿が全然かっこよくないところが悲喜こもごも)。

ブログタイトルは、文字通り、「小さなことの中に喜びを見いだしていこう。与えられていないものに対して不満を抱くことよりも、与えられているものに対して感謝を抱いて生きていこう」といった意味合いが込められています。
実際に、そういった内容になっているかは何とも言いかねますが、少なくとも当初の志としては、書いている自分も、読んでくれた人も、少しだけ、よりハッピーになれたらいいな、という願いが根本にあります。

これからも、引き続きご愛読いただき、「ちょっぴりハッピー」な気持ちになっていただけたら幸いです。


【以下、旧バージョン(2)】
人生80年と言われる時代ですが、私も、一応80歳を目標にしています。
42歳の今、残り半分を切り、これからの後半生を、一日一日、大切に生きたいと願っています。
人生において、いちばん大切なことは何なのか。
その実現のために、今、そしてこれから、何をしなくてはならないのか。
それを模索しながら、少しずつでもいいから前進し続けたいと思います。

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